渡米してこの夏で18年になります。来てまもなくの頃に母と電話で話をした時に母が何かほしいものはない?不自由していない?と聞いてくれました。それからしばらくして母から日本の味がどっさりの荷物が届きその中に”かんぴょうまきの素”のかんずめがはいっていました。何か特別なときにのり巻きを作ろうと棚にしまいました。それからその年の暮れに母は他界しました。葬式のために帰国したときに姉が小さな紙切れを見せくれました。そこには娘に送るための品物がびっしりと書かれてありのり巻きの素もそのひとつでした。母は生前半年ほど自宅酸素療法となり少し動きまわるだけで呼吸が苦しそうでそんな母がわたしに送りたいものを書き上げて父に頼んで買い物してきてもらったようです。18年ずっと棚からわたしを見守ってくれているような気がしてあけられないかんずめがまだそこにあります。缶ずめの賞味期限は2年と聞いたのでとうにこのかんぴょうまき