にわかに真実味を帯びて急浮上してきた「9月入学」案。教育ジャーナリストのおおたとしまささんは「9月入学」議論をどのように受け止めたのか。テーマを3つに分けてお届けする。まずは拙速に9月入学を実施したときの問題点を具体的に提示してもらおう。 影響大きく論点整理すら困難 休校期間が長引いていることへの対策として、学校の始業や入学を9月に移行する、いわゆる「9月入学」案がにわかに浮上している。まともに授業ができていない本年度4月からの各学校での取り組みをリセットし、9月に1学期を始めようという案である。 GWを前にして、私も複数のメディアから意見を聞かれた。その時点で「あまりに影響範囲が大きすぎてにわかには論点整理すらできず、論理的に是非を表明することは難しい。ただし直感的には、たった4カ月で準備するにはちょっと無理があると思う」と述べた。 ところが、である。これに対して著名人らが前向きな意見を