73回目の終戦記念日を前に、靖国神社の遊就館に足を運び、いささか驚いた。以前に比べて、普通の外国人観光客の姿が明らかに目立ったからである。 これもインバウンドの余波だろう。あるいは、近年欧米などで流行っている「ダークツーリズム」(被災地や戦跡などを巡る旅)の影響もあるのかもしれない。 いずれにせよ、軍事博物館はけっして軍事マニアや専門家の占有物ではない。今夏も注目されるであろう靖国神社の遊就館も、諸外国の軍事博物館と比較するとまた違ってみえてくる。 海外の軍事博物館にも「靖国史観」 満洲国建国も、支那事変も、大東亜戦争もすべて正しかった――。遊就館の展示内容は日本賛美で貫かれていて、しばしば「靖国史観」と称される。 これに対し、「歴史研究の成果を反映していない」「負の側面を取り上げていない」「ナショナリズムを煽っている」と批判するのがこれまで定番となってきた。 いや、最近ではその反動で「こ