(2011年7月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) こうしてサーカスは先へ進んでいく。ほかに適当な表現がないためにそう呼ぶなら、ユーロ圏の責任者たちは21日にブリュッセルに集まり、もう1000回目かと思えるようなギリシャ危機への対応を繰り返す。 前回よりかなり大規模なギリシャ向けの第2次金融支援を策定することになっているサミット(首脳会議)の準備期間は、悲しいことに、無秩序で複雑な欧州の政策過程の典型だった。欧州中央銀行(ECB)はギリシャのソブリン債務の減額と何がデフォルト(債務不履行)に相当するかしないかを巡り、ユーロ圏の財務相たちと声高だが混乱した口論を続けた。 諦めと絶望感が入り混じった気持ちでその状況を眺めているのが、2010年5月のギリシャ救済当初に戦場に落下傘降下してきた国際通貨基金(IMF)だ。 今でもIMFのことを悪質な全能性を備えた組織だと考えている人は、IMFが