築地市場の移転延期によって、市場跡地の地下を通る環状2号線の全面開通が見通せない。移転延期の余波は市場関係者だけでなく、周辺住民や東京五輪など多方面に及んでいる。 「環状2号線(環2)が開通し、都心部へのアクセスが確保されることを前提にマンションを購入したのに、これでは話が違います。多くの勝どき住民が困っています。小池都知事が政局のために都民の利便性を損ねているとしたら、とても残念です」 築地市場から見て、隅田川の対岸に位置する勝どきに住む横井麻衣子さん(仮名)は憤る。築地市場が移転した後、環2の建設が行われ、都心部へのアクセスが劇的に改善される予定だった。しかし、築地市場が移転していないため、「築地市場の地下を通す、片側2車線の本線、500メートル弱の建設が着手できない」(東京都建設局の久野健一郎街路課長)ままだ。 東京五輪の競技会場が集中する臨海部と都心を結ぶ「大動脈」と位置づけられた