「今年の1本」とも言える作品賞候補は、ネイビー・シールズ狙撃手の物語『アメリカン・スナイパー』、米国公民権運動のさなか起きた「血の日曜日」を描く『Selma』、アラン・チューリングが主人公の『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』、スティーヴン・ホーキング博士の半生記『博士と彼女のセオリー』、といった実話を中心に据えた作品が目立つ。 その一方で、12年の歳月をかけ同一俳優で撮られた少年の成長物語『6才のボクが、大人になるまで。』、ブロードウェイ俳優が再起にかける『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、ジャズドラマーを目指す青年と教師を描く『セッション』、高級ホテルのコンシェルジュとベルボーイが織りなす独特の世界『グランド・ブダペスト・ホテル』があり、バラエティに富んだ候補となっている。 今年で87回目を迎えるアカデミー賞だが、過去の受賞作を知るのであれば、ネッ