◆ この栄誉を深い感謝と謙虚さをもって受け取る。大事なのは、我々のとる行動であり、正義の方向へ歴史を変えることは可能だ。これまでに平和賞を受賞した歴史上の偉人と比べると、私の業績はわずかなものだ。今回の受賞で議論になったのは、私が二つの戦争を戦っている国の最高司令官であることだ。 歴史を通じ、法体系によって暴力を抑制しようとしてきた。その中で「正しい戦争」の考えが生まれ、最後の手段、あるいは自衛の手段といった前提条件を満たした場合のみ、戦争は正当化されている。 歴史の中で、正しい戦争という考えは、ほとんど守られてこなかった。 私は今日、戦争の問題の決定的な解決策を持ち合わせていない。正しい戦争の概念について新たに考え直さなければならない。 我々は、暴力的紛争は私たちが生きている間には根絶できない現実を認めることから始めなければならない。平和を維持するために戦争という手段が演じる役割はある。