円安が進んで原材料を輸入に頼る食品や生活用品の値上げが続いている。企業業績は回復しているが賃上げの動きは広がらず、家計負担は増大するばかり。小麦粉や油など原材料の値上げが加工食品に波及するのはこれからで、さらなる負担が家計を直撃することになる。消費者は値上げに敏感なだけに、小売り側も値上げに頭を抱えている。【横山三加子】 「夏ごろには値上げせざるを得ない状況です。お安いうちにお買い上げください」。東京都板橋区のスーパー「オーケー」では、そんな表示が小麦粉売り場に掲げられている。「他店より安く」が売りのスーパーだけに、「よそより先に値上げすることはないが、最終的にはせざるを得なくなる」(本社広報)と説明する。 日清製粉グループは輸入小麦の価格上昇を受け、6月20日出荷分から業務用、7月1日出荷分から家庭用の小麦粉を値上げする。他の製粉会社も追随するとみられる。小麦粉はパンやうどん、ケーキ