本好き、本屋好きなら、うんうん、あるある読書になる。神保町の老舗中の老舗、東京堂書店の元店長さんの、本と読書のエッセイ。帯の惹句が、いいこと言ってる。 本が本を呼び、 本が棚を呼び、 棚が書店をつくる そう、書店の顔は棚だ。どこへ行っても同じ棚なら近所の本屋に行けばいい。お目当てあるなら一本釣りだ(amazonでね)。だが、本が本を呼び、棚を呼び、ゆるやかにつながった今の知を見るためなら、電車に乗ってでかけるべき。 ちょっとウロつくだけで、旬の言葉と関心の的が目に飛び込んでくる。同時に関心分野へ深入りするための導線としての書籍が、さりげなく並んでいたりする。世の中を「ばくっと」知るのなら、棚を眺めるのがてっとり早い。この読み手の考えを見透かしたかのように、本の選び手は「現在の知」を一覧化してくれる。 やさしく、やわらかな口調の端々に、現場のプロフェッショナリズムが垣間見える。さらに、長年こ