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深町秋生に関するwhirlのブックマーク (11)

  • 震災後の仙台を歩く - 深町秋生の序二段日記

    仙台のワッシュ君(id:washburn1975)に会ってきた。 「高速道路も通ったし、ガスコンロか灯油を持ってこうか?」と言ったら、「電気も水道も復旧したし、うちは灯油を使ってないんですけど、とりあえず映画秘宝読みたいです」 という答えが返ってきたので、今月の秘宝やマンガを持って仙台に行ってきた。 仙台空港近くを通る仙台東部道路を通った。仙台平野の沿岸部を走る高速道路だが、巨大津波がこの道路にまで届いたらしく、道路周辺の田んぼや家は泥と瓦礫と化していた。東部道路自体も、あちこちに凸凹ができている。 ワッシュ君が「あの道路周辺はこの世の地獄です」と言ったが、当に地獄だった。田んぼにはひっくり返った車や漁船、ねじれた自販機が転がり、油にまみれた粘つく泥が瓦礫と一緒にすべてを埋めつくしていた。 名取インターチェンジ周辺は瓦礫と泥の山に埋もれていた。それでもETCを出ると「割引1000円」とい

    震災後の仙台を歩く - 深町秋生の序二段日記
  • 今もこれからも、すてきないい町 - 深町秋生の序二段日記

    三陸の旅を終えて以来、虚脱状態が続いている。 山形が停電から復旧し、テレビやネットで情報を追い続けていたが、この世のものとは思えない津波の映像に震え、ぶらぶら歩いていた釜石の商店街が波に呑みこまれ、あとはもうひたすら恐ろしかった。 地震当日の午前中は、宮城県松島のカフェで原稿を書いていた。午後に山形で用があり、久々に帰郷したところで地震に遭った。その用事がなければ、「いいところだな」と、太平洋岸の町をうろついていたと思う。 最近は、ずっと旅をしていた。 三陸をうろつく前の週は、福島の郡山やいわき市に。海を見ていると、原稿執筆のモチベーションが維持できるという理由で、今年の冬は沖縄や福島、仙台、三陸をぶらつきながら、わりとストイックに原稿に向かっていた。旅をしながら、同時にカンヅメでもあったのだ。 プライベートな空間では原稿がまったく書けないので(個室に入るとロクなことをしない)、家には帰ら

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  • 深町秋生のコミックストリート

    南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! ホテルの朝にいつも悩まされる。  とくにバイキング形式が困りものだ。客室から出て、エレベーターに乗ったときから、ばっちり不安に襲われる。ひょっとするとごちゃごちゃ混んでいて、席が取れないんじゃないか。好きなオカズが切れていて、調理中なんじゃないか。そもそも列に並んで、自分でトングやシャモジを掴んで盛るのが、死ぬほど面倒くさい……けっきょく朝カレーと小アジの開きと納豆にオレンジジュースなんて気色の悪いメニューになっていたりする。朝で頭が回っていないので、ガツガツいすぎて気分が悪くなったり。  それにしても現代日ほど、に手を焼かされる国はない。バリエーション豊かなのはありがたいが、コンビニのオニギリひとつ取っても、「ノリがパリっとするやつでいくべ

  • インターネットという主人公「ソーシャル・ネットワーク」 - 深町秋生の序二段日記

    マークも犠牲者なんだ。これはすべて、根的にインターネットの性質や、インターネットが我々の人間としてのあり方をどう変えたかということにも関わってくる。人々を惹きつけたインターネットは、我々が闇にまぎれて、無礼で、意地悪で、人種差別的で、怒りにまかせた愚かでむごい態度をとることも許している。ニューヨーク・ジャイアンツの試合の観客席で、酔っ払いが選手に向かってすごく無礼な野次を飛ばすのと一緒だよ。1時間後に駐車場でその選手に出くわしたら、そんなことは絶対に言わないだろう。でも群集の中にいるとそれが言えてしまうんだ。インターネットは、巨大な匿名の群集だと思う。 アーロン・ソーキン フィンチャーの大型新作「ソーシャル・ネットワーク」を見た。おもしろかったねえ。 しかし「どこがおもしろかったの?」と問われれば明確に答えられない。むしろ「つまんなかった」という人も確実に出るだろうと思った。爆破や暴力も

    インターネットという主人公「ソーシャル・ネットワーク」 - 深町秋生の序二段日記
  • 職業にして失うということ - 深町秋生の序二段日記

    山下洋輔の新刊エッセイ「ピアノ弾き即興人生」を読んだら、おもしろいくだりがあった。 音楽を職業としていると、どうしても音楽を普通に聴くことはできなくなる。それゆえテレビから流れるちょっとした音楽にも苛立ってしまうというお話。どんな音楽であれ、耳に入ってくると、つい批評したり、なにかをそこから学ぼうとしてしまうという。落語やNHKの「ラジオ深夜便」といった人の言葉を誘眠剤代わりに聴くときがあるけれど、音楽ではそうはいかない、眠るどころではないらしい。 たとえば、昔の歌謡曲でも、六〇年代ヒットパレードでも、モーツァルトでも、聴こえたとたんに神経がピリピリする。「そうか、こういう風に曲を作っていたのか」「この編曲はどうなっているのか」「この曲が作られた背景にはどういう社会的音楽的状況があったのだろう」などと要らぬ考えに迷い込む。そのうち、自分の知識の無さに情けなくなったりして、安らかに眠るどころ

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  • ゲームのなかの奇妙な日本 - 深町秋生のベテラン日記

    最近、プレステ3の「龍が如く3」(最近「4」が発売された)をやったのだけれど、ずいぶんと奇妙なストーリーだった。今日はゲームの話。 渡哲也や中村獅童など、毎度大物俳優陣が登場するセガの大プロジェクトゲームなわけだが、「3」のストーリーはかなりひどかった。沖縄で主人公の桐生さん(高倉健とセガールが同居したようなスーパー元極道)が孤児院経営をなさっているところからスタート。 通常、そういう児童養護施設経営なんて穏当な世界とはプロローグあたりでおさらばしてもらって、あとはアダルトな歌舞伎町や沖縄繁華街でたっぷり暴力三昧と突き進んでほしいのだが、そこらへんはやっぱりマニアックな臭いの残る我らがセガゲー。いつまでもいつまでも孤児院経営を続けるうえに、育てている7〜8人のガキンチョには全員個性が細かく用意されていて、さして知りたくもないガキどもの悩みやコンプレックスに耳を傾けたり、喧嘩を止めたり、家出

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  • 報道番組を10倍おもしろく見る方法 - 深町秋生の序二段日記

    だいぶ前のエントリだけれど、こちらがおもしろかった。今日はテレビに関する話。 http://d.hatena.ne.jp/nakakzs/20100421(私がBGMつきのニュース番組を信用しない理由 空気を読まない中杜カズサ) ニュースにBGMがつくとびっくりするぐらいに印象が変わるというお話。たとえ悲惨なニュースでも笑点のBGMで幕開けすればかなり和めるところがいい。もちろん殺人だろうが災害だろうが「わはは」とバラエティーにつきものの笑いの効果音が入れば、悲壮感なんか軽く吹き飛んで、見ているこっちも「わはは、めった刺しだって! きゃはは」とつられて笑ってしまう。 むろんBGMだけでなく、ニュースのあらゆるところが変だ。ここ最近でもっとも違和感を覚えたのは「容疑者の供述」みたいなやつ。「ムカついたからやった。誰でもよかった……」なんてナレーション。NHKでもやっている手法ではあるけれど、

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  • 非実在異文化交流。ハリウッドの俺の空「アバター」 - 深町秋生の序二段日記

    近所の映画館がまだ「アバター」をやっていたので見てきた。 この時期になるとさすがの大記録映画でも観客はまばら。というか私を含めて二人だけだった。おかげでとてもリラックスしながら鑑賞できた。メガネをつけたり外したりして、「お、浮き上がる。浮き上がらない。メガネをかけると……おー、やっぱ浮き上がる!」と新しいおもちゃを手にしたチンパンジーのように愉しんだ。 なにも考えずに見るとなかなかおもしろい。3D映像のアトラクション的なハッタリ感や後半のド派手な戦闘もよかった。悪い地球人が大量のナパーム弾を叩き込んで、青い部族の人らが大切に大切にしている巨木をぶっ倒そうとするところがお気に入り。ぞくぞくとした背徳感を覚えてしまった。人が大切にしてるものをぶっ壊すのはやっぱ楽しいなあと。 一見するとエコやロハスでインターナショナルかつ道徳的な物語に見える。子供にも見せたいという親御さんも多かったことだろうが

    非実在異文化交流。ハリウッドの俺の空「アバター」 - 深町秋生の序二段日記
  • 深町秋生のコミックストリート

    南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、気になる漫画、お勧めのコミック を、時に辛口、時に鋭く紹介します! さて、あなたはおしぼりのビニール袋をどうしているだろうか。 居酒屋なんかで出てくる業務用のおしぼり。叩くとポンと音がするアレである。あのビニール袋はけっこうわせものだ。単にテーブルへ置いたままにしておくと、空調の風にあおられてツツーっと滑っていき、そのうち隣のテーブルにまで飛んでいったりするちょっと目障りな存在だ。 目障りといってもあくまでちょっとだけだから、クシャクシャに丸めて灰皿なんかに放りこんでおく。もしくはおしぼりの下に敷く。見た目は美しくないものの、そのうちビールや突き出しなんかが運ばれてきて、グビグビやっているうちにどうでもよくなってくる・・・・・・。あまりにささやかな問題だから、いつも気になりながらもすぐに忘れてしまう。 今回は

  • 声援を送られる三沢、暴動が起きる猪木 - 深町秋生の序二段日記

    あれから約一ヶ月。ようやく三沢の死というものを受け入れることができた。 死の翌日には日テレの朝番組が大々的に取り上げていた。バックドロップをくらって動けなくなった模様が放映されていて、動揺する選手たちや悲鳴をあげる広島のお客さんたちの姿もたっぷり映っていて衝撃的だった。 ノアと三沢のプロレスとは、寡黙に粛々と肉体の限界に迫るというストイックなスタイルだった。他団体の小川直也のようなパフォーマーとからんだときには心底うんざりするような顔を見せ、長年のパートナーで後輩だった川田と久々にドームマッチを実現するも、試合後にマイクで川田が「またやりましょう」といったようなごく穏当なアピールをしたが、それに対しても激怒したと言われ、そうしたプロレス特有のはったりを嫌っていた。 しかしその一方でマンネリにもつながり、いつまでも主役は身体がガタついている小橋であり、社長業で忙しい腹のつきでた三沢だった。若

    声援を送られる三沢、暴動が起きる猪木 - 深町秋生の序二段日記
  • 深町秋生の序二段日記

    上映が終わってからもなかなか椅子から立てなかった。 プロレスやレスラーに対する愛や敬意にあふれていて、作品は悲哀と孤独を濃密に描いているものの、鑑賞中はとてつもない幸福に包まれていた。「おもしろい」「泣ける」というよりも、ここでぴったりくるのは「ありがとう」という言葉だった。アロノフスキー監督や主演のミッキー・ローク、すべてのスタッフに対して感謝を述べたい。ありがとう。 80年代にMSGを賑わせたレスラーの“ザ・ラム”ランディ。だが20年後の今はかつての栄華を失い、ニュージャージー(アメリカにおける埼玉みたいなとこ)周辺のドサ回りで糊口をしのいでいる有様。わびしいトレーラーハウスの家賃すら滞納し、近所のスーパーでバイトをしながらのカツカツ生活を強いられている。家族はすでにバラバラ。ちがう生き方を選ぶ余裕さえ失われている。長年のレスラー生活で、身体は悲鳴をあげ続けている。どんづまりの人生。そ

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