本稿では「暴力表現と規制」をテーマに、暴力表現はいつ生まれ、どのように変化してきたかを整理していく。前編では、2000年初頭までの出来事を振り返ってきた。前編をまだ読んでいない人はこちらから。後編では、暴力表現の規制事例や、国内外の規制の状況について紹介していく。 CERO制度下における暴力表現と規制 Z指定の新設によって18歳未満への販売が明確に制限されたため、当初は「これで過激な表現もやりやすくなる」という期待があったようです。しかし、現実は、そのような期待の通りには進行しませんでした。 2011年6月のインタビューにて、三上真司氏(現Tango Gameworks代表)は以下のように語っています[1]。 三上氏:(前略)CEROレーティングは、本来、高い年齢層の人なら受け止められる、表現の自由を認められる為の指標だったはずなのに、現在は逆になってる、厳しくなっていると感じます。レーテ