では、この冷却機能の長期喪失という最悪の状態が起こった場合、福島原発で「最も危険」であったものは何か。 実は、それは「原子炉」ではなかったのです。 意外に思われるかもしれませんが、それは、「使用済み燃料プール」だったのです。具体的には福島原発四号機の使用済み燃料プールが、最も危険な状態に陥る可能性があったのです。 以上、「官邸から見た原発事故の真実」p123 より 続く話を要約すると、こんな感じです。 使用済み燃料プールには圧力容器や格納容器といった封じ込めのためのバリアが存在しないため、崩壊すれば「むき出しの炉心」になってしまい、放射性物質が容易に拡散する四号機のプールには千数百本にのぼる大量の使用済み燃料があったそのうち数百本は炉心から取り出したばかりで、まだ高い崩壊熱を出している状態だったそして、以下のような点が懸念されていました。 このプール自体が水素爆発や余震による地震、津波など