サッカー・ワールドカップ南アフリカ大会で話題となり、日本代表の本田圭佑選手が得意とする「ぶれ球」と呼ばれる無回転のシュートの原理について、山形大地域教育文化学部の瀬尾和哉准教授(流体力学、スポーツ工学)が科学の視点から解析し、6日発表した。放たれたボールが進む方向の裏側に生じる空気の渦が、不規則な揺れを生み出す要因だという。 瀬尾准教授は南ア大会の公式球「ジャブラニ」などを使って実験。回転しない状態で風やレーザー光を当て、周囲の空気の流れを分析した。ボールの両脇から後ろに空気が流れると、裏側に低圧の空間が発生。周囲の空気を巻き込むようにしてU字形の渦が生まれる。この渦が不規則に向きを変えることで空気の流れが変化し、ぶれが生じるという。 渦を発生させるには、スピンをかけずにボールをけるほか、ボール自体も凹凸が少なく理想的な球体に近くなければならない。ジャブラニは少ないパネルを機械で張り合わせ