熱帯林の高木の葉のごく一部が、光合成が正常に働く上限の温度(限界温度)に近づいている可能性のあることを報告する論文が、Natureに掲載される。現在、限界温度を超えている葉は全体の0.01%と推定されているが、熱帯高木で閾値と考えられる温度の範囲に関しては、不確かな点がある。今回のモデル化研究では、熱帯林が、想定された転換点に達するまでにあと3.9℃の気温上昇に耐えることができると予測され、これからの気候変動の下で熱帯林の行く末を守るための行動が必要なことが示唆された。 熱帯林は、非常に重要な炭素貯蔵庫の役割を果たし、世界の生物多様性の大部分を保持しており、気温の上昇に特に感受性が高いと考えられている。熱帯高木の光合成機構の機能不全が始まる限界温度は平均で約46.7℃だが、熱帯の植生における葉の温度がこの閾値に達しているか、または近い将来に気候変動の下で閾値に到達するかは、よく分かっていな