店の従業員が悪ふざけでYouTubeに投稿した1本のビデオが招いたブランド失墜の危機を、ソーシャルビデオを活用することで見事に乗り切った、米国ドミノ・ピザ炎上事件の事例を紹介する。最初に、米国ドミノ・ピザを襲った事件のことを知ないという読者のために、簡単に事件の概要について説明しよう。 2009年4月、宅配ピザ大手のドミノ・ピザでその事件は起こった。起こった場所は、本社があるアメリカではなくオーストラリア。そのオーストリアのある店舗で働く2人の従業員が、自分の鼻の中に入れた食材をピザ生地に混ぜたり、ピザ生地に唾を吐きかけたりするシーンを撮影し、そのビデオをYouTubeに投稿した。この見るに堪えないプランクビデオ(いたずらビデオ)は、あっという間に口コミでバイラルし、すぐに主要メディアにもニュースとして取り上げられることになる。いわゆる、炎上というやつだ。 炎上から間もなく不買運動にも似た