「限界集落という言葉がありますが、下手したらこのあたりは“絶滅集落”ですよ。この不安は、都会の人にはわからないかもしれないね」 日本社会の少子化が、想定以上のスピードで進んでいる。2019年に生まれた新生児の数は、1899年(明治32年)の統計開始後で初めて90万人割れとなる見込みだ。そんな中、「1年間、赤ちゃんが生まれなかった自治体」まで出てきた。総務省が今年発表した人口動態の調査によると、2018年に出生数ゼロだったのは4町村。その一つが、山梨県の南西端に位置する早川町だ。 冒頭で紹介したのは、早川町に住む男性の嘆きだ。いまこの町で何が起きているのか。遠くない将来、多くの地方自治体に訪れるかもしれない現実に迫った。