パチャウリ議長 3年前、ゴア米元副大統領と一緒に国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の議長としてノーベル平和賞を受賞したエネルギー・環境問題の専門家パチャウリ氏は最近、公の場で弁解をすることが多くなった。 理由はIPCCを巡る一連の疑惑だ。IPCCは世界から選ばれた気候変動の専門家の集まりだが、昨年11月、地球温暖化を誇張したとも受け取れる専門家間の電子メールが流出。パチャウリ氏が責任者としてまとめた2007年の評価報告書が、ヒマラヤ氷河の消失時期を早めて記述する誤りも見つかった。 さらにパチャウリ氏が、出身国インドでエネルギー関連の国営企業の役員をしていることなどが、自分の利益のために研究内容が影響を受ける可能性がある「利益相反」に当たるとの指摘まで出た。 利益相反の疑惑こそ否定されたが、8月30日、世界の学術団体で組織するインターアカデミー・カウンシル(IAC)が公表