県が提案していた県立図書館2館の「閲覧廃止」の方針が、3カ月余りで転換された。社史や科学技術の豊富な蔵書で知られる県立川崎図書館(川崎市川崎区)も存続方針が示された。廃止撤回を求めてきた関係者は胸をなで下ろす。この間、問い直されたのは「本を手にとって読むこと」の意味と、図書館自体の存在意義そのものだった。 県の廃止案に「図書館とは言えなくなる」と疑義を唱えた「神奈川の県立図書館を考える会」主宰の岡本真さんは、「まずは一安心」。有志や識者と勉強会を開き、議論を重ねてきた。「県の提案のおかげで議論が深まったとも言える。財政対策を進めながら、経済政策の立案や議員の政策提言などに図書館を使うなど、よりよい形にしていくきっかけに」と注文した。 県立図書館には閲覧だけでなく、市町村立図書館に専門的な本を貸し出したり、図書館員を育成したりする機能もある。 全国約7千の個人、施設でつくる全国組織・日