以下は一種の試論である。「政策不況」という言葉が独り歩きしているが、仮に政治闘争が不況につながるか、それを増幅するとしたらどんな点でか、を自分なりに整理してみたかった。政治的床屋政談から少しでもフォーマルな議論にもっていければいいのではないか、と思っている。 とはいえ、オリジナルなものを考えたわけではなく、以下の試論は単にトーマス・サージェントの論文「レーガノミックスのクレディビリティ」をダイレクトに援用したものにすぎない。サージェントの分析に、単に政府・与党、民主党(野党)、日本銀行として固有名をそれぞれ与えた「だけ」の分析である。翻訳は『合理的期待とインフレーション』として出版されており、特に翻訳48ページの議論をできるだけ簡略して利用しただけである。以下の話は厳密性を気にせずにできるだけ直観的に説明していく。もし僕の説明が気に食わない人は前記サージェントの本を直接参照されたし。 この