【ソウル=箱田哲也】韓国の統一省は15日、北朝鮮を脱出して韓国に入った、いわゆる脱北者が2万人を突破したと発表した。脱北者は2007年に1万人を超えたばかり。その後のわずか3年で倍増したことになり、北朝鮮住民の過酷な生活実態が数字に反映されている。 玄仁澤(ヒョン・インテク)統一相は15日、ソウルの教育施設で開かれた行事で「夢を大きく抱き、努力すれば必ず成し遂げられるという信を持って頑張ってほしい」と脱北者らを激励した。同省は、北朝鮮北部の両江道出身で、今月、2人の息子と韓国入りした女性(41)が2万人目としている。 脱北者はかつて韓国で「帰順者」と呼ばれ、珍しい存在だった。だが、北朝鮮の経済状況の悪化を背景に1999年に千人を突破。その後、2002年からは年間で千人台、06年からは同2千人台にのぼるようになり、急激に増加してきた。 韓国入りした脱北者らは定着施設で韓国での生活に関す