GPS発信器が取り付けられていたため、サウジアラビアで「身柄」を拘束されたハゲワシ=イラスト・田中美里 【カイロ支局】サウジアラビアで先週捕獲された1羽のハゲワシに、スパイ疑惑が浮上している。ハゲワシの体にGPS(全地球測位システム)発信器が取り付けられていたためで、サウジ当局は政敵イスラエルの「偵察要員」と判断、「身柄」を拘束した。一方のイスラエル側は学術目的の放鳥と主張しており、「悲運のハゲワシの早期釈放を」と訴えている。 イスラエル紙ハーレツなどによると、ハゲワシ(翼を広げた長さが265センチ)はサウジ国内の砂漠で地元住民に捕まった。体にはカーナビにも使われるGPS発信器に加え、「R65テルアビブ大学」と記された目印が付いていたため、地元メディアなどが「ユダヤ主義者(シオニスト)の新手の刺客」と騒いだ。 イスラエル・メディアによると、GPSは生態観測のためにテルアビブ大が装着したもの