琵琶湖固有種ビワマスのメスが昨秋、南湖から大宮川(大津市)に遡上(そじょう)していたことがわかった。市民グループが放流した稚魚が成長して帰ってきたとみられる。南湖でのビワマス遡上は戦後間もなくが最後だったとの証言があり、専門家は「約60年ぶりに遡上を復活させた意義は大きい」と評価している。 滋賀県や、大宮川で稚魚を放流する市民グループ「びわますを琵琶湖のシンボルに育てる会」によると、11月21日、大宮川の河口から約900メートル上流の地点で、川の中にあったビワマスの死骸を近くの住民が見つけた。住民が撮影した写真をもとに県水産課がビワマスのメスと確認した。 動物に食べられるなどして頭部はなくなっていたが、体長は推定50センチ。脂ビレが切り取られていた。南湖で放流しているのは2006年から続ける同会のみで、07年と09年は稚魚の脂ビレを切除していたことから、同会が放流した稚魚が成長したとみ