12節終了時点で、34得点5失点。全く他を寄せ付けない強さを発揮するチームは、同時にまだまだ伸びしろのある若いチームでもある。チームとしても、選手個々としても、そのキャリアは決して今がピークではない。 就任3年目となる2014年シーズンを迎えるにあたって、湘南ベルマーレの曹貴裁(チョウ・キジェ)監督の心は揺れていた。 2012年に反町康治前監督(現松本山雅監督)の後任としてヘッドコーチから昇格し、就任1年目でチームをJ1へ導いた。しかし、国内トップステージでのチャレンジはわずか1年で終わりを告げた。 チームの成績だけを見れば、浮き沈みは激しい。それでも、曹監督の眼に映るチームは成長を遂げていた。メディアが“湘南スタイル”と評するアグレッシブな3-4-3は、結果を超えた部分で選手を少しずつ高みへ押し上げていた。 同時に彼は、小さな危惧を抱いていた。 「対外的にも発信できるようになった我々のス