消費税が引き上げられ、価格競争を繰り広げていた牛丼の吉野家、松屋は並盛280円をそれぞれ300円、290円へ値上げした。そんななか、280円から270円へ値下げする“逆張り”を断行したのがすき家だ。 すき家を運営するゼンショーホールディングスは、2010年度の連結決算で日本マクドナルドホールディングスを抜く売上高3700億円余りを達成し、外食産業のトップに立った。10年間で20倍以上の急成長だ。 そんな業績好調なゼンショーだが、「急成長の歪みの是正」が課題だと指摘する声は多い。 「データを右から左へ動かす知恵があれば何とかなる金融やITと違い、外食産業は、最終的には現場が勝負。だから、会社ががむしゃらに利益を追求し、効率優先でやろうとすれば、現場が疲弊するのは当然です。その点、ゼンショーは現場への配慮が足りないと言わざるを得ません」(外食産業に詳しい経営コンサルタント) 厳しい労働