◆高齢団地、誰が救う 1月31日午前11時過ぎ、多摩ニュータウンの貝取地区(多摩市)に、移動販売車がやってきた。2トントラックに生鮮食品など計300点を積み込む。トラックが止まったのは、3年ほど前に店じまいしたスーパーの空き店舗前だ。 「一人暮らしだし、足腰が弱いから遠くまでは歩けない。移動販売を続けてほしいから、これからも通うわ」 そう言って笑う女性(88)は、杖をつきながら買い物をした。離れて暮らす息子が毎週土曜に、中心街へ買い出しに連れて行ってくれるが、「1週間に買い物1回では足りない」。移動販売が楽しみだという。30分ほどの販売で、15人が訪れた。 移動販売は、多摩市と京王電鉄(多摩市)が提携する「買い物弱者対策」の一環。ニュータウンでは高齢化が進み、近くのスーパーが撤退して、買い物に困るお年寄りが増えている。地域の要望もあり、昨年7月から、スーパー大手のイトーヨーカドー