パネリストとして「日中韓三国協力国際フォーラム」に出席を予定していた前夜のことだった。突然の訃報に、開会式で司会を務めた中国の李肇星元外相は“若宮さんは日中友好、日中韓交流に力を注いできた”と挨拶し、韓国の金章洙駐中国大使も“韓国の古い友人が亡くなった。哀悼の意を表したい”と述べた。 さもありなんと言うべきか。この方は、中韓に大人気だったのである。 何故かと言えば、2005年、担当していたコラム『風考計』に“竹島を韓国に譲り、友情島にすることを夢想する”と書き、韓国から“勇気ある発言”と褒めそやされたり、2014年に韓国で開かれた「ソウル・東京フォーラム」で講演した際には、一般参加者の韓国人男性から“日本が独島(竹島の韓国名)を奪いに来るかもしれない。どうすればよいか”との質問を受け、こんなふうに応えたりもしていたからだ。 私が身体を張って止めます、と。 また、読売新聞・渡邉恒雄主筆と雑誌