木村剛が肩入れする日本振興銀行に予備認可が出た。大銀行が見放す中小企業に融資する。代表の落合伸治は35歳。いかつい男だ。 ◇ ◇ 身長180センチ、ラグビーで鍛えたがっしりした体にギョロ目。 「年間20万人を超える破産者の中に個性も能力もある経営者がいる。そうした人たちにチャンスを与えるのが新銀行です」 落合伸治(36)は20歳で会社を起こし、すでに15年間金融を裏街道から見てきた。その落合に「怪しげな男」という評判が銀行業界から立っている。 「無名で若いというだけで胡散(うさん)臭く見られる。世の中に役立つ仕事をする、それで分かってもらう」 新銀行は、送金や口座引き落としなどはやらない。預金は定期だけ、融資は中小企業に限る。 「日本には金利の空白ゾーンがある。ここを狙って商売する」 通常、銀行の貸出金利は2〜5%程度だが、銀行が貸さなければ15%を超える商工ローンやヤミ金融に頼らね