猫の踊場と供養塔(泉区中田町) 戸塚と長後間を結ぶ県道が出来るまで、踊場は、くねくねとした山間の道端にある広場だったそうです。 その広場に、夜な夜な猫が出現し、踊っていたという昔話が残っています。 その「猫」の正体については、遊女の暗躍を揶揄したという説や、若い娘にとりついた怨霊などの説もありますが、ここではユーモラスな「水本屋のトラ」の話を紹介します。 戸塚宿内の水本屋という醤油屋で、トラという猫が飼われていました。 ある日、家の手ぬぐいが一本ずつなくなるのに気づいた主人は、その晩、手ぬぐいに紐をつけ、手に結んで寝ました。 手を引っ張られて目を覚ました主人が見たのは、手ぬぐいをくわえて外に飛び出そうとするトラの姿でした。