今回はイタリアやフランスにおける最新の日本カルチャー事情をお話ししよう。 「スタンゲリーニ」といえば、モデナにある往年のレーシングカー工房であり、今日では地元におけるフィアットとBMWの大ディーラーである。その旧本社跡地に少し前、北部イタリアを中心にチェーン展開しているすしレストラン「ZUSHi」がオープンした。 ボクが住む街シエナでも、新しいすしレストランが近日オープンするようだ。これで市内に3軒目だ。いずれもボクとは面識のない中国系オーナーの経営によるものである。だが日本食レストランは日本人経営と思い込んでいるイタリア人は、他の店が開店したときと同様に「あのリストランテ・スシ、味はどうよ?」とボクに聞いてくるに違いない。 ボクがイタリアにやってきた16年前と今日との決定的な違いのひとつに、“SUSHI”の浸透がある。早くからSUSHIカルチャーが浸透していた米国にお住まいの読者は