カウンセラーとしての日々の仕事から解放され、信田さよ子が自由に深夜の想念を綴るMidnight Blog 2010年05月20日 「僕なんか彼女を殴ったりできないよ」 先日TBSラジオ「Dig」に出演したことはすでに書いた。 そのときの反応(これはいろいろな手段でつかんでいる)についての違和感を述べよう。 冒頭で、DVは男性から女性への暴力って言っていいんじゃないか、とガツンとかました発言をした。もちろん、女性が男性を殴る例もあるし、それで男性が困ってカウンセリングの訪れることもある。 しかし、最近頻発しているDV殺人、保護命令の状況をみても、やるがわ(加害者って言おう)は圧倒的に男性だ。まして中年以降、生活をほとんど夫の経済力に依存せざるを得なくなってからのDV問題は、男性から女性に対してが圧倒的に多い。 デートDVを毛嫌いしてしまう理由は、結婚、出産を経て、徐々に男女の役割分担
堀井憲一郎の『若者殺しの時代』に言及しているAntiSepticさんの記事に突っ込んだ先日の続き記事2本(これとこれ)に、本人から反論をもらった。 大野左紀子は赤名リカである。プッw プププw - 消毒しましょ! これについて言いたいことは 東ラブ→やまとなでしこの見立てが単純過ぎ。レート上げよ(独身で仕事に邁進or共稼ぎ家事分担)→苦労→金に条件絞れ(新・専業主婦志向)だよ?/女はまとめて「バカ」だったとして男の問題に一切触れないのは何故 http://b.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20100505#bookmark-21292675 で殆どすべてだが、せっかくなので消毒風の絨毯爆撃方式でいってみる(横線の区切りは元記事に準じている)。 ● 売春だけが「性の商品化」などと思っている時点で既に話にならない そんなことは一言も書いてないのに「思っている」と決めつ
政府の男女共同参画会議が、来年度から実施する次期基本計画の土台となる中間整理案(計画案)を公表した。家族より個人を重視した制度・慣行を促し、家族の絆(きずな)を壊しかねない選択的夫婦別姓にも「民法改正が必要」と明記するなど問題が多い。 平成11年にできた男女共同参画社会基本法により、5年ごとに国の基本計画が策定されている。自治体も男女共同参画に関する条例などをつくってきた。 しかし、男女差別の廃止を強調するあまり、合理的な男女の役割分担や男らしさ女らしさまで否定する傾向が、基本計画や条例に反映され、問題となってきた。 これに対し、行き過ぎたジェンダーフリー(性差否定)教育に歯止めをかけ、伝統的家族観を盛り込んだ条例をつくる自治体が出るなど是正の動きもでてきた。 自民党政権時代の16年に、福田康夫官房長官(当時)が「ジェンダーフリー」という言葉を使わないよう自治体を指導する考えを示したことも
先日Webで話題になった非実在青少年規制問題を、「何故これに賛意を示す母親が多いか」から見たエントリを読んだ。 ポンコツ家族の取扱いマニュアル - 母親の皆さんに 児童ポルノ法&東京都青少年健全育成条例改正問題について これ読んで最初に思い出したのは、これもTwitterでちょっと話題となったまとめよう、あつまろう - Togetterでの発言。 「もしそれで何かあったら、預けてしまった自分を許せない」 このセリフ、ほとんど同じものをmixiの予防接種コミュで何度か目にした。一応クローズドな場での発言なので引用できないが、文脈としては「自然罹患で死んでも運命だと思って諦めが付くが、予防接種の副反応で子供に何かあったら自分を許せない」といったものだった。 想定状況こそ異なるが、この3者はまるで同じメンタリティだ。要約すれば「子供になにかあったら全部自分のせい」。自然災害であれば言い訳も立つが
結婚おめでとうございます、大谷選手 ― 彼のお相手が彼に〝似ている〟ということについて 2024年03月17日 大谷選手の結婚相手が大谷の顔に似ていると言われているが、それは、ある意味当たり前で、たぶん、大谷のお母さまの若い時代の顔に彼女が似ていたからに違いない。 こういうカップルは大谷選手にかかわらず長続きする(と、私は彼の結婚を勝手に楽観視しているが)。似ても似つかぬ顔の場合は、男性の方に、女性の顔の原型について像が存在していないため、女性と同じような異性彷徨が生じやすい。そんな男に〝引っかかる〟と女性は大変だ。 >> 続きを読む 投稿者:ashida1670 | 18:06 | 感想を見る・書く (0) | トラックバック (0) | この記事の訪問者数 パソコン一つで世界を動かす ― 大学の情報教育は、国・公・私立大学問わず、未だに「電気通信」時代のカリキュラムにとどまっており、今
(文献紹介は一回スキップします。) 国際マイクロデータの普及に伴い、徐々に国別のジェンダー平等を測るための総合指標(composite index)が利用される機会も増えているように思います。総合指標はその算出方法を考慮しないと十分に生かせないところもあります。ここで簡単にまとめておきますので、よろしければご参照下さい。 以下で解説するのはHDI、GDI、GEM、ついでにGGGIです。最初の三つは国連開発計画(UNDP, United Nations Development Programme)が毎年発行する『人間開発報告書(Human Development Report)』で発表されます。 HDI (Human Development Index) HDI(人間開発指数)はジェンダー関連指標ではありませんが、GDIの算出方法のもとになる指標なので、説明しておきます。これは国ごとの生活全
Kumi @kum_i !!RT: @yasuyukima: !RT…RT @taghness: 嫁が育休切りされた。「みんな、あなたと働きたくないって言ってるから…」と取締役5人に囲まれて自主退職を迫られたらしい。理由もタイミング(育休4ヶ月目)も納得いかない。なんとかできないものかな? 2010-02-17 10:40:00 Kumi @kum_i @yasuyukima 消費者側の負担を優遇しても、女性が前線で働き続けたいと願う場合、またパートナーの助けが得られず自分一人で働いて収入を得続けなければならない場合、解決にならない印象があります…。子供をもったら、低収入低支出で補助に頼って暮らさなければいけない、というような。 2010-02-17 12:48:00
社会学そのうちこちらでプレゼンをすることになりそう...なので頭の整理メモ。話自体は家族と仕事に関する日本の研究アジェンダの変化についてを予定しているのですが、家事分担研究も重要なパートです。家事分担研究は、いくつかある家族社会学の流れの中でもかなり目立ったグループを形成しています。なかでも盛んなのは夫婦間の家事分担規定要因の研究(家事分担はどういった要因で決まるのか?)です。参考までに、日本の夫婦の家事分担の現状を示すデータをご紹介しましょう。以下は、夫婦の家事時間の総量を100としたときの妻の分担割合(%)です*1。...というわけで、ごらんのとおりのありさまです。日本の家事分担の妻への偏りぶりは家族社会学界では周知の事実で、世界を見渡してみても、日本の男はダントツで家事をしていません。このデータを見て、「そりゃ日本の男はめちゃくちゃ働いているもん、無理もない」と思われるかもしれません
産経新聞に掲載された曾野綾子の「用心するということ」というエッセイが、この数日、ネット上でえらい顰蹙を買っている。産経新聞に謝罪を求める抗議運動まで起こっているようだ。批判記事には多くの反応が集まっている(その一つ、強姦するのが男の性なら去勢するのが自己責任でしょ - フランチェス子の日記にエッセイ全文が掲載されているので、未読の方はどうぞ)。 去年の2月、沖縄駐留米軍海兵隊員による女子中学生暴行事件の際、産経新聞客員論説委員の花岡信昭が被害者について「基本的な「しつけ」が徹底していなかった」とネットで発言し、散々叩かれたことがあった。「またかよ」感が拭えない人も多いと思う。 曾野綾子と言えば、最近では作家としての話題や評価より、石原慎太郎や中曽根康弘と仲良しで、靖国に参拝し日の丸・君が代を賞賛し、かつて日本船舶振興会の会長を務めたり日本郵政取締役に就任していたりする、ガチガチのタカ派とし
子供いないのに言うのも恐縮なんですが…、 ニュースで毎日世のお母さんたちが「託児所がない、ない」言ってるんですが、それを見ている子供たちの気持ちのこと、お母さんたちはどう考えてるんだろう…。世のお母さんたちは、ちゃんと「ボクの気持ち」を、気にかけてあげてるのかな?なにか世の中のひずみな気がしますね、ボクらはいいけど…子供らにはね…。 子供からすると、むずかしい社会の問題や時代背景のことはわからないと思うので、ただ「ボクのお母さんはボクを預けるところがないっていってる」という言葉のみを受け取り、それによって子供たち自身が、寂しい思いをしなければいいな…と思っています。 ※記事の本来の意図が、つたない文章により曲がってしまい、それによってイヤな思いをした方がたくさんおられるので、謝罪を込めて、ここに記事を修正させていただきます。 また、本記事とは異なる意見をなるべく掲載すべく、みなさんの書き込
昨日、会陰切開への恐怖感について書いていると、kanjinaiさんとshohojiさんがこんなコメントを下さった。 shohoji 『切らなかったら、場合によっては引き裂けて、もっと痛い目にあうのではないだろうか。 出産の際には、「痛いからいやだ」とか考える余裕はないし、このくらいの痛さなど、後になれば痛いことなど忘れちゃうものだと思います。』 (2007/07/08 01:25) kanjinai 『会陰切開については、ずっと賛否両論の議論があります。ウェブでも、たとえば、反対:<http: //www5.ocn.ne.jp/~kmatsu/osan/164sekkai.htm><http://www.sairosha.com/w- plus1ein.htm> 賛成:<http: //www2s.biglobe.ne.jp/~SYYYT/zokuboya/gensou.html>などがあ
日本における性の慣習について、最も誤解されているのが、男女交際や婚前交渉に関するものではなかろうか。しばしば、「戦前は男女の交際については厳格で、婚前交渉などもってのほか」という状況が普通であったかのように言う向きがある。 しかし、そうした状況は、あったとしても都市のごく一部に過ぎず、日本の大部分を占めていた地域では、性に対して非常にオープンであったことが数々の資料によって明らかである。 まず、「夜這い」という慣習は、広く全国各地で行われていたことが多くの研究者によって明らかとなっている。たとえば、明治時代の植物学者にして民俗学者の南方熊楠は、「今日においても、夜這いを行っていない地方はない」との旨の発言をしている。また、民俗学者・赤松啓介が『夜這いの民俗学』(明石書店)『夜這いの民俗学・夜這いの性愛論』(筑摩書房)『村落共同体と性的規範―夜這い概論』(言叢社)など、多くの研究書をまとめて
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