手術20分以内に終了「まるで芸術」 1986年に医師国家試験に合格し、東京女子医大消化器外科の医局に入って出会ったのが、「ゴッドハンド」と呼ばれた羽生富士夫教授でした。 声もでかけりゃ、態度もでかい。ごつい手が手術中にガチャガチャ動く。一見、「何て雑なんだろう」と思うけれど、手術が終わってみると、切除するべきところはちゃんと取っている一方で、大事な血管はきちんと残されている。 患者の肺機能に問題があって「20分以内に終わらせられないか」という要望があれば、それにも応えてしまう。一種の芸術みたいなもので、見ていてドキドキしました。今ならば、「スーパードクター」と呼ばれたことは間違いないでしょう。 「この人を目指そう」と心から思いました。一生懸命やった。病院から自宅に帰れるのは週に1回ぐらいでしたが、羽生先生は僕のことをすごくかわいがってくれました。 だけど、外科医としてある程度仕事ができるよ