4月1日より働き方改革関連法が順次施行されて約1ヶ月半。1947年に労働基準法が制定されてから70年ぶりとなる大改革で、長時間労働の是正や同一労働・同一賃金の実現が謳われている。 これに対し「心底、失望させられました」と異を唱えるのが、丹羽宇一郎氏(80)だ。「人は仕事で磨かれる」をモットーに、伊藤忠商事会長、中国大使を歴任した丹羽氏が指摘する、政府の「働き方改革」の問題点とは——。 丹羽宇一郎氏 誰のために作ったのかわからない 丹羽 「仕事とは、すなわち人生そのもの——私は半世紀以上、この信念でやってきました。そしてそれは今も間違った考えだとは思っていません。仕事は何よりも人に生きる喜びをもたらしてくれる。働き方改革は、それが法律に反映されていないのです。誰のために作ったのかわからないような法律ばかりが並んでいる。 これからの50年、100年は、AIの進化やロボット技術の発展によって仕事