1856年に締結された日米修好通商条約で日本側に不利な点と言えば、「関税自主権の喪失」と「治外法権」、これだけでした。 勿論、当時の世界の金銀比率が1対15なのに対し、国内比率は1対5、そのため大量の銀が流入して金が流出した結果、物価の高騰を招いたのは攘夷的意識を高揚させるに充分でした。 それでも当時の日本は出超でしたからまだ救いがあった訳で、阿片のために大入超に陥った清朝(=大清)に比べて遥かに幸運で、当時の中国からは際限なく銀が流出しました。 整理しますと日本が蒙った不利益は、 「関税自主権の喪失」 と 「治外法権」 これだけ。 対して阿片戦争に負けた清朝は南京条約だけで 「領土割譲」(香港のこと) 「賠償金の支払い」(2,100万$) 「5港開港及びそれらでの自由貿易」 「治外法権」 「片務的最恵国待遇」 「関税自主権喪失」 「英海軍の中国常駐」 「開港場での租借地取得の権利」 の八