人口増加に伴う食糧問題に対処するためバッタやアリ、クモなどを食べる「昆虫食」を国連が推奨している。安くて栄養価が高く、夏のスタミナ食にもなる究極の自然食。世界には20億人の「虫食う人々」がいるとされるが、その効用があらためて見直され、トレンド食へと変わりつつある。 国連食糧農業機関(FAO)の5月の報告書によると、伝統食となっている昆虫は甲虫など約1900種類。日本でもイナゴや蜂の子が有名。東南アジアではタイやベトナムなど虫を食べる習慣のある国が多い。カンボジアでは1番人気のコオロギやタガメ、ゲンゴロウなどと並びクモ、タランチュラも好まれている。 アフリカでも伝統的にバッタなどの昆虫が広く食され、中国でも約3千年前の文献にアリ、ハチ、セミが皇帝の食卓に並べられたとの記述がある。今でも北京のある料理屋ではハチのさなぎやトンボ、コガネムシの幼虫などの揚げ物が盛られた大皿が「昆虫総動員」と名付け