昨2011年世界規模で起きた、ある重大ニュースの発信源は米ニューヨークだった。「ウォール街を占拠せよ」。格差社会に疑問を持つ若者たちによって9月に自然発生したデモが、フェイスブックやツイッターといった新しいメディアを通じ、わずか1カ月間で東京を含む1400以上の都市に波及したのだ。非正規20代の2割、月10万円みたぬ収入 デモは、先導者がおらず統一した要求もないという異例づくしだったが、だれかが必ずこんなプラカードを掲げていた。「We are the 99%」(私たちが99%だ)。1%の富裕層が招いた金融危機を99%の貧困層が尻拭いしているという批判を込めた言葉だ。これが、日本の若者たちの間でも共感を呼び続けているという。 貧困問題に詳しい作家の雨宮処凛(36)は「デモの広がりは、非正規労働者と正社員が対立するという構図が、嘘であることを気づかせてくれた」と説明し、過労死問題について重要な