「冬場の室温は18度以上が健康に望ましい」。住宅の室温が健康に及ぼす影響について、医学と建築環境工学の専門家が連携した国内初の大規模な全国調査で、そんな知見が裏付けられた。部屋の改修などで室温を上げると高血圧や頻尿などが改善することが確認され、独居高齢者や所得が低い世帯は室温が低い傾向があることも浮き彫りになった。健康のため塩分の取り過ぎなど食生活に注意することは浸透しているが、住まいにも工夫や改善を呼び掛ける取り組みが広がりそうだ。 医学、建築環境工学の専門家でつくる一般社団法人「日本サステナブル建築協会」(東京)は2月中旬、都内の会合で2018年度までの5年間にわたる調査の成果を報告した。 冬季(11月~3月)の居間(在宅中)の平均室温が18度未満の住宅は全体の59%に上った。寝室は90%、脱衣所も89%を占めた。 最も注目されたのが血圧との関係だ。冬季の起床時、室温が20度から10度