「大阪でいまコロナにかかったら死ぬんちゃうか?」。新型コロナウイルス感染「第6波」の2月下旬、大阪在住の知人から冗談とも本気ともつかぬ調子で聞かれた。 オミクロン株に感染して亡くなるのは70代以上の高齢者が圧倒的に多い。知人はまだ50代。言葉の裏に不安がにじんでいたのは当時、連日にわたって数十人規模の死者が発表されていたためだろう。今月17日時点で大阪府内の累計死者数は4425人に上り、都道府県別で最も多い。 普段から、吉村洋文知事は「府民の命を守るのが行政の責任」と語るが、死者数に関する記者団の質問には「メディアは一生懸命比較して、大阪はワースト、ワーストと言う」といらだちを隠さない。脳裏には、府内で1539人の死者を出した第4波(昨年3~6月)の医療崩壊があるのかもしれない。 客観的なデータといえども受け取り方は人によって異なる。今月上旬に都道府県別の感染者の死亡率(昨年12月17日~