地上最強の生物と呼ばれる「クマムシ」は、いつの日か人間の命を救ったり、老化を防いだりしてくれるかもしれない。クマムシから抽出されたタンパク質が、人間の細胞の老化を遅らせることが判明したそうだ。 米国ワイオミング大学の研究チームたちは、極限状態にも耐えるクマムシの防御システムの秘密を探るために、そのタンパク質を人間の細胞に導入してみた。 すると代謝が遅くなり、ヒト細胞の分子プロセスが減速することが明らかになったのだ。いったいどういうことなのか?詳しく見ていこう。
東京の銭湯の脱衣所でストレッチをする99歳の女性。この銭湯は、特定の時間帯を高齢者の運動とレクリエーションのために開放している。高齢者に対する専門家からの重要な助言の1つは「動くのをやめないこと」だ。(PHOTOGRAPH BY NORIKO HAYASHI, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 歩くことは単純な行動のように思えるかもしれないが、実はそうではない。米カリフォルニア・パシフィック医療センター研究所の科学部長である疫学者のペギー・コーソン氏はそう説明する。歩行は驚くほど複雑な行動であり、高齢者の生活の質をどうすれば高められるか探し求める研究者たちを困惑させ続けている。 「理由はまだわかりませんが、歩く速さは死亡リスクと関連しているのです」と氏は言う。歩行速度を維持できる人は長生きする可能性が高いのだ。 それだけではない。こういう人は、より健康な状態で長生きする可
一般的にほ乳類は体が大きければ大きいほど長生きですが、犬にはこの法則が当てはまらず、チワワなどの小型犬よりもグレート・デーンなどの大型犬の方が平均寿命が短い傾向があります。そんな大型犬の寿命を延ばすためにバイオテクノロジー企業・Loyalが開発した犬用の老化防止薬「LOY-001」が、アメリカ食品医薬品局(FDA)の承認に向けて前進していると報じられています。 FDA Center for Veterinary Medicine agrees Loyal’s data supports reasonable expectation of effectiveness for large dog lifespan extension https://loyalfordogs.com/posts/loyal-announces-historic-fda-milestone-for-large-d
「若く見られたい」などとして役所の書類を偽造するなどして、25歳ほど若い実在しない妹の戸籍を取得したとして72歳の女と夫が逮捕されました。 東京・大田区の警備員・岩田樹亞(48)こと吉野千鶴容疑者(72)とその夫(65)は、おととしから去年にかけ、戸籍を取得するために都内の裁判所や区役所に提出する書類を偽るなどした疑いが持たれています。 警視庁によりますと、吉野容疑者が妹に成りすまして運転免許証を取得しようとしたところ、警察官が不審に思い事件が発覚したということです。 夫は逮捕前の調べで「妻は若く見られたい」と話していたということです。 吉野容疑者は「私は岩田樹亞です。今は姉とけんかしているので連絡が取れない」と容疑を否認しています。 ▶「妻は若く見られたい」…ウソの戸籍作成か “架空の妹”なりすまし疑い 夫婦を逮捕 ▶【動画】高齢者の“踏み間違い”事故 運転席から見たその瞬間
by Smithsonian's National Zoo 地中で生活するハダカデバネズミが持つ、長寿に関わると考えられている遺伝子をマウスに移植した結果、マウスの健康状態が改善し、寿命が延びたことがロチェスター大学の研究チームによって報告されています。 Increased hyaluronan by naked mole-rat Has2 improves healthspan in mice | Nature https://doi.org/10.1038/s41586-023-06463-0 Naked Mole Rat’s Longevity Gene Gives Mice a Longer Life – ScienceSwitch https://scienceswitch.com/2023/08/25/naked-mole-rats-longevity-gene-gives-m
【6月29日 AFP】都市部の公園や緑地は暑さを和らげ、生物多様性を高めるだけではなく、老化を遅らせる効果があるとする研究結果が28日、米科学誌サイエンス・アドバンシズ(Science Advances)に発表された。緑地の近くに住んでいる人は、そうでない人に比べて生物学的に平均2.5歳若いという。 米ノースウェスタン大学(Northwestern University)フェインバーグ医学院(Feinberg School of Medicine)博士研究員で、論文の主著者を務めたキエーズ・キム(Kyeezu Kim)氏は「緑の多い場所で暮らせば、実年齢より若くなれる」とAFPに語った。 「グリーンインフラの拡大が、公衆衛生の促進や健康格差の削減につながるという意味で、都市計画にとって重要な意義を持つ結果」だという。 緑地との接触は、以前から循環器系の健康増進や死亡率の低下と関連付けられて
1981年に第1作目が公開された人気アクションアドベンチャームービー「インディ・ジョーンズ」の第5作目「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」が、2023年6月30日に全世界同時公開されます。さまざまな困難に出くわす考古学者のインディアナ・ジョーンズが人々の前に登場してからおよそ40年、演じるハリソン・フォードも御年80歳と高齢になりましたが、最新作ではAIの力を借りて若き日のインディアナ・ジョーンズを再現していることが話題となっています。 'Indiana Jones 5' will feature a de-aged Harrison Ford for the first 25 minutes https://www.engadget.com/indiana-jones-5-will-feature-a-de-aged-harrison-ford-for-the-first-25-mi
日経の記事利用サービスについて 企業での記事共有や会議資料への転載・複製、注文印刷などをご希望の方は、リンク先をご覧ください。 詳しくはこちら 生まれたばかりのときに誰もが持っていたいわゆる「良い脂肪」は、年とともに失われる。科学者たちは、老化を食い止めるためにこの脂肪を補給する方法を模索している。(PHOTOGRAPH BY FROGGYFROGG, ISTOCK/GETTY IMAGES PLUS) 体にある脂肪と聞いてほとんどの人が想像するのは、白色脂肪と呼ばれるものだ。皮膚の下や内臓にあり、その名の通り白またはクリーム色をしていて、代謝効率が悪く、大した働きをしない。エネルギーをほとんど消費せず、落としにくいので、肥満をはじめ様々な健康問題を引き起こす。 対して、人の体には違う種類の脂肪もある。褐色脂肪だ。生まれて間もない新生児の首と肩に多く、代謝効率が良く、多くのカロリーを燃やし
DNAの末端にあるテロメアは細胞分裂のたびに短くなる特性から、ある種の寿命タイマーであると考えられていました。 しかし米国のノースカロライナ大学(UNC)で行われた研究により、染色体の先端にあるテロメアには、強力な活性を持つ2つの小さなタンパク質を生成可能であることが示されました。 この2つの小さなタンパク質は、一部のがん細胞やテロメア関連の遺伝疾患をもつ患者の細胞内に多く存在することが示唆されており、細胞の不調に応じて生産されるシグナル伝達の役割を果たしていると考えられます。 研究者たちは、テロメアが2つのシグナル伝達タンパク質をコードしている場合、がんや老化の仕組みや、細胞同士がどのように通信しているかについての、既存の常識がくつがえる可能性があると述べています。 しかし単調な繰り返し構造から成るテロメア(開始コドンを持たない)から、いったいどんな方法でタンパク質が作られたのでしょうか
米タフツ大学カミングス獣医学部で僧帽弁閉鎖不全症のキャバリア「エース」の心臓の検査をする獣医師たち。エースは、心臓を若返らせる可能性のある新しい遺伝子治療の試験に参加している。(PHOTOGRAPH BY BECKY HALE) 長寿研究者たちは長年、線虫やショウジョウバエ、マウスやラットを研究対象としてきたが、近年はイヌに照準を合わせることで、人間の時間を戻す方法を発見したいと考えている。 人間の肉体や認知能力が加齢とともに衰える理由を探るのに、イヌは格好のモデルになる。イヌは人間と同じ家に住み、同じ空気を吸い、しばしば同じものを食べ、がん、関節炎、糖尿病、認知症、肥満、フレイル(加齢による虚弱)、僧帽弁閉鎖不全症など、高齢者がかかる多くの病気にかかるからだ。イヌの生涯は人間よりもはるかに早く進むので、科学者は人間なら何十年もかかるような生物学的変化を数年で追跡することができ、はるかに少
Loss of epigenetic information as a cause of mammalian aging https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(22)01570-7 Gene Therapy Mediated Partial Reprogramming Extends Lifespan and Reverses Age-Related Changes in Aged Mice https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2023.01.04.522507v1.full 2つの独立した研究によって、山中因子が老化の逆転を起こすことがわかりました。 山中因子とは京都大学山中伸弥教授が発見した皮膚などの体細胞を万能性であるiPS細胞に変化させる遺伝子群のことです。 1つ目の研究は米国のハーバ
抗老化物質NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)が日米、中国を中心に注目を集めている。このNMNなどによる老化制御研究で世界的に有名なワシントン大学医学部の今井眞一郎卓越教授が2022年11月15日、「NMNを中心とする健康長寿社会の未来 老化・寿命研究の最前線」と題し、東京都内で講演を行った。講演会は、健康食品などの製造販売を行う日清ファルマとプロダクティブ・エイジング研究機構、日本医療国際化機構が、一般の人向けにハイブリッド開催したもの。今井卓越教授は、日清ファルマの田中秀邦社長による紹介を受けて登壇。最新の研究報告に加え、NMNブームへの警鐘、自身の生活習慣、友人でもある老化研究者のデビッド・シンクレア教授との違いなど、幅広いテーマについて話した。 NMNの点滴投与はNADを壊す可能性も NMNは、生命の維持に欠かせないNAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)を増やし、
私たちの老後が変わるかもしれない…。そんな最新研究が発表されました。 東京大学の研究グループらが、生活習慣病などに関係しているとされる「老化細胞」を取り除くことに、実験で成功しました。年をとることで起きる病気の改善や予防につながる可能性があるという、画期的な研究です。 めざまし8は、実際に研究を行った教授に話を聞きました。 病気の一因に…そもそも「老化細胞」とは 世界の医療関係者が期待を寄せる、最新の老化に関する研究。東京大学医科学研究所の中西真教授らのグループが、11月2日、イギリスの科学誌「ネイチャー」に『老化を“防ぐ”研究』を発表しました。 中西教授らは、年老いたマウスを用いた実験で、免疫チェックポイント阻害剤により「老化細胞」を取り除くことに成功しました。研究では、自己の免疫が活性化されて老化細胞が減り、老化に伴う症状の改善も確認できたということです。 そもそも「老化細胞」とは?
抗老化研究の進展を背景に、成果の社会実装を図る老化制御ビジネスに注目が集まっている。世界の先頭を走るのは米国とされ、米グーグルが設立したキャリコ(Calico)などが知られているが、実態は掴みづらいのが実情だ。世界の老化ビジネスは、今どんな状況にあるのだろう。米国の老化ベンチャー事情に詳しい慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室の早野元詞特任講師、創薬/バイオベンチャーの事業化支援などを手掛けるサイネス合同会社の三品聡範CEO、投資支援を行うINCJベンチャー・グロース投資グループの平野徳士アソシエイトの3氏による「特別リポート」を紹介しよう。 投資家の期待が高い老化制御ビジネス 近年、老化制御ビジネスが世界で注目を集めている。その背景として、(1)老化研究によって健康寿命の延伸や予測が可能なことを示すエビデンスが充実してきたこと、(2)米国を中心とするバイオテック業界の活性化、(3)高齢社
米国を中心に世界では、「老いなき体」を手に入れようとする老化研究ビジネスが進みつつある。その動きを見据え、国や分野を超えた研究者のネットワークを構築しながら、「若返り」を目指した先進的な研究と社会実装化を進めているのが慶應義塾大学医学部精神・神経学教室特任講師の早野元詞氏だ。世界的なベストセラー『LIFESPAN老いなき世界』の著者、米ハーバード大医学大学院のデビッド・シンクレア教授の研究室で、老化モデルマウス「ICE(アイス)マウス」を開発した経歴を持つ。現在進めている若返り研究の成果と社会実装化の構想について、早野氏に聞いた。 サルコペニアなど老化によって進む病気の治療を若返りの突破口に 早野氏がICEマウスを開発する過程で明らかにしたのは、遺伝子のDNAの特定の部分に傷がつくと、細胞がそれを「エピゲノム」という形で記憶し、スイッチが入ったように老化が加速することだ。例えば、若い頃に日
順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学の南野 徹 教授らの研究グループは、加齢関連疾患への治療応用を可能にする老化細胞*1除去ワクチンの開発に成功しました。 これまで加齢により組織に老化細胞が蓄積し、慢性炎症*2が誘発されることで様々な加齢関連疾患の発症や進行につながることが少しずつ明らかになってきましたが、病的な老化細胞を副作用なしに選択的に除去する方法はありませんでした。今回、研究グループは、マウスの老化細胞に特異的に発現する老化抗原*3を同定し、その抗原を標的とした老化細胞除去ワクチンを作成して老化細胞を除去したところ、肥満に伴う糖代謝異常や動脈硬化、加齢に伴うフレイル*4が改善するばかりでなく、早老症マウスの寿命を延長しうることを確認しました。本成果は、アルツハイマー病を含めた様々な加齢関連疾患の治療への応用の可能性を示唆するものです。本論文はNature Aging誌のオンライン
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く