高齢者が多数となった日本でいま、彼らの婚活が大きな問題を生み出している。『言ってはいけない』(新潮新書)などで知られる作家の橘玲氏が、高齢者の婚活市場で生まれる難民問題について指摘する。 * * * 「日本人はヨーロッパの難民問題を他人事みたいに思ってますけど、いままさにこの国で深刻な“難民問題”が起きているんですよ」 そう教えてくれた男性は六十八歳で、定年退職後に事情があって離婚し、余生を共に過ごす伴侶を婚活サイトで探していた。そんな彼が体験したのは、金持ちの男を求めて婚活市場をさまよう膨大な数の高齢女性がいるという現実だ。 彼女たちの多くはずっと専業主婦で、離婚や死別で一人暮らしになり、わずかな年金しか受給できないものの、資格も就業経験もないのでいまさら働いても満足な収入は得られない。そんな彼女たちにできる唯一のことは、男に尽くして養ってもらうことなのだという。 そのため、パートナー選