1993年を振り返ってみよう。当時の米大統領はBill Clinton氏で、映画「ジュラシック・パーク」のチケットが飛ぶように売れており、UB40による「好きにならずにいられない」のカバーが全米ビルボードチャートの1位を占めていた。またこの1993年は、仏パデュー大学の学生だったIan Murdock氏が、Usenetのニュースグループ「comp.os.linux.development」に「Debian Linux Release」と呼ばれる新しいディストリビューションを作ったと投稿した年でもある。 Murdock氏はその記事で、「これは基本的に最初から作り直したリリースで、単に『SLS』(Softlanding Linux System)に変更を加えて、『新しいリリース』だと言っているわけではない。私はSLSを動かしてみて、その多くに不満を感じ、このリリースを作ることにした。SLSに多
まずはじめに言っておくけど、俺はLinuxデスクトップをもう長いこと使っているし、Linuxデスクトップは最高だと思う。 だけど、LinuxデスクトップのシェアがWindowsやMacOSを脅かす日は永遠に訪れないと思っている。 逆に言うと「なんでその日が来ると思えるんだ?」と疑問で仕方がない。 理由をいくつか書いてみよう。 PCにははじめからデスクトップOSが入っているもうこれが最大の理由だ。パソコンを買えばすでにWindowsなりMacOSがセットアップされている。 Linuxデスクトップが流行ると思っている人たちはパソコンを買った人たちがわざわざこのOSを消して、OSインストールイメージを作成してLinuxに入れ替えてくれると思っているんだろうか? 最近はLinuxを入れにくいPCが増えたじゃぁ、仮にWindowsやMacOSを消してLinuxを入れるとする。 手持ちのPCには入れら
筆者は1997年から「Linux」を使い続けているが、その間、問題が起きたのはたった1回だけだ。その期間の長さを考えれば、これは非常に立派な成績だと言えるだろう。あるOSを30年近く使ってきて、何回か小さな問題があったほかは、深刻な問題が1度しか起きなかったという状況を想像してみて欲しい。 誰がどう見ても、それは勝利だ。 ただし最初の頃は、Linuxを使うのは決して簡単ではなかった。おそらく、筆者がLinuxに非常に早く慣れることができたのは、それが理由だろう。真剣に努力しなければならなかったのだ。 しかし今のLinuxは、昔のLinuxとは別物だ。今のLinuxは驚くほど使いやすくなっている。コマンドラインを使う必要もなければ、自分でカーネルをコンパイルする必要もない。bashのスクリプトを書いたり、正規表現を覚えたり、自分でファームウェアをインストールしたりする必要もなくなった。 今の
PC・スマホ・タブレット等のIT機器のヘルプ対応をしているけど、このうち対応が最も面倒なのがLinux。 Windowsやmacよりも件数はかなり少ない代わりに、対応の難易度の高さは飛び抜けている。 それもうオンサイト対応じゃなきゃ解決できねーよみたいな内容が極端に多い。 どういう使い方で、どんなソフトウェアをどのように入れたかにより、OSの奥深くにある基本的な設定が書き換わるケースもあるし、もちろんディストリビューションやバージョンごとの違いもあるしで、 設定ファイルの修正方法やコマンドを送ったくらいでは解決せず、挙げ句 「このコマンドを実行してください」 「解決しませんでした」 「このファイルを修正してください」 「解決しませんでした」 というやりとりが延々続くだけになり、手に負えなくなってサポート打ち切りになるケースがほとんど。 というかサーバじゃなくデスクトップで使っているなら、そ
筆者はLinus Torvalds氏を数十年前から知っているが、コロナ禍が始まってからは、対面でインタビューを行う機会が無かった。しかし、世界のLinuxのトップ開発者が集まる年次会合である2022年のLinux Plumbers Conferenceで、とうとう再び対面で話を聞く機会を作ることができた。 Torvalds氏はカンファレンスが始まる直前、オランダ領西インド諸島のボネール島で6日間をスキューバダイビングをして過ごしていたという。もし選べるのであれば、「カンファレンスに出るよりもダイビングをしていたい」と同氏は語った。誰だってそうだろう。 またTorvalds氏は、自分はLinuxカーネルの仕事をたくさんしているが、ワーカホリックではないとも述べた。 これだけの年月が経っても、いまだにこの仕事をしていられる理由は、仕事を離れる時間を取れるからだ。しかしすぐに飽きてしまうので、長
もう5年以上続けている取り組みのひとつにデスクトップ環境をdisposableに保つというのがある。いつでも何があっても即座に環境を捨てて作り直せるようにするということ。EC2やVPSのインスタンスに対してAnsibleでプロビジョニングできる状態にしておけば即座に新しいホストを立てて古いホストを捨てられる、そんな状態を目指すということ。具体的には以下のようなことを心がけている。 書類のマスターデータを端末上に置かない デスクトップ環境をdisposableに保つ第一歩は、とにかく手元になんらかのデータのマスターを置かないことにつきる。端末上にマスターデータを置いていると当然新しい環境を用意する際にデータ移行が必要になる。移行をしないためにはこれらを手元に置かないようにする。書類はGoogle DriveやNASに入れる、ソースコードは全てGitHubに上げておく、などなど。現代では機密情
Intelが用途不明の謎のコードをLinuxカーネルに追加したことが話題になっています。 Intel teases upgradable 'software-defined silcon' • The Register https://www.theregister.com/2021/10/19/intel_sdsi/ Intel updates mysterious ‘software-defined silicon’ code • The Register https://www.theregister.com/2021/12/08/intel_software_defined_silicon_update/ 話題となっているコードは、IntelのプログラマであるDavid E. Box氏が2021年9月にLinuxカーネルに追加した「Intel Software Defined Si
あけましておめでとうございます。年賀状代わりに開発環境の構築記事を差し上げます。 いやわりと真剣に、開発環境にはその開発者の近況が表れていると思うのですよ。 いっちょあなたもどうですか 😀 閑話休題。 以下今日やった Ubuntu 20.04 LTS のインストール作業記録です。語調変わるのはご勘弁。 Hyper-V VM の用意 Ubuntu のインストール インストール後の作業 systemd-networkd の設定 不要なツールを purge build-essential をインストール dotfiles で初期設定 Go をインストール Docker をインストール 以上 Hyper-V VM の用意 特に難しいことはない。 ブリッジ仮想スイッチを作り、第2世代タイプにしてセキュアブートを無効化するくらい。 あとチェックポイント(自動スナップショット)はうざいので無効化してい
価格:2800円+税 発売:2020年9月10日 Linuxの心臓部にあたるカーネルについて理解を深め、Linuxを本格的に学んでいこうという人のための「初めて読むLinuxカーネルの専門書」です。 サーバーOSとしてのLinuxを学ぼうとしても、Linuxの専門書は難しく、ステップアップに手ごろな本が見つかりづらいのが現実です。 そこで本書では系統立てた章立てと、いくつもの実験を盛り込んだ構成にすることで、Linuxの中核となるカーネルの仕組みを分かりやすく丁寧に解説しました。OSとしてのLinuxがどのように動いているのかが分かります。 1章と2章では基礎となる部分を大きくページを割いて紹介。3章ではLinuxカーネルのソースコードから実際に動く状態に組み立てる「ビルド」の操作を紹介します。4章以降では、3章までに学んだ知識や手法に基づき、Linuxカーネルの仕組みを解説していきます。
2020年08月28日00:02 Ubuntu←こいつがOSの天下取れなかった理由wwwwww カテゴリVIP 1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/26(水) 09:41:16.706 ID:E7AJrCjCd なに 2: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/26(水) 09:41:47.209 ID:hAiZv3zQM MS Officeが使えない 5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/26(水) 09:43:54.051 ID:oMy3Poxq0 入れるのめんどい 6: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2020/08/26(水) 09:45:14.752 ID:r8uETojD0 windows3.1に戻ったかと思った トラブルがあると寿命が減る感じ 7: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送り
#BLMで差別的な用語の置き換えが業界で広まる中、Linuxカーネルでもシンボル名として「master/slave」と「blacklist」を使うことが禁止された。リーナス・トーバルズ氏が禁止を承認した。 Linuxカーネルの生みの親で最終的な調整役を務めるリーナス・トーバルズ氏は7月10日、Linuxカーネルでの包括的用語として「master/slave」(主人/奴隷)と「blacklist」を禁止する提案を承認した。 この提案は4日にメンテナーのダン・ウィリアムズ氏が投稿した。5月25日のジョージ・フロイド氏死亡をきっかけに続いている人種差別反対運動の中で、米Twitterや米GoogleのChromeとAndroidチーム、米Microsoftとその傘下の米LinkedInと米GitHubなど、多数のIT企業が同様の決定を発表している。 Linuxカーネルで禁止されるのは、シンボル名
タイトルは「Linuxの「かな漢字変換」」です。ひらがなの文字列を普通の漢字かな混じり文にするソフトウェアの話です。 はじめに この記事ではLinuxの日本語入力を歴史の中で特にかな漢字変換の部分の歴史についての概要です。その時代に広く使われていたと筆者が独断で思う物のみに触れます(触れてない物の中には筆者の友人知人の作品も含まれていて心苦しい点もありますが…)。 Linux以前 - 国産ワークステーションの時代 80年代後半から90年代前半にかけて国内の複数の会社がワークステーションを製造販売していました。各社ではそれぞれのアーキテクチャにUnix系OSを移植し、何社かはそこに搭載する日本語入力のシステムを自社で開発し、さらに素晴らしい事にほぼオープンソースな条件でソースコードを公開していました(NECのCanna, オムロンのWnn, SONYのSj3)。 その中ではCannaやWnn
僕にとってはLinuxデスクトップ元年は学部4回生だった1999年あたりにきて、一瞬(研究室でMacbookを買ってもらって結局firefox+emacs+端末しか触らなくなったという)浮気した時期があったものの20年ほど主なデスクトップ環境としてはLinuxだけを使う生活をしています。 たまにバグレポートをするくらいで積極的に開発に参加しているわけではない身ですが、いろいろなものが順当に進化しているなと思っています。 あとこれは僕がたまたまそうなだけで一般的には言えない話なのですが、仕事でLinuxに詳しくなったのがそのまま日常生活に有益だし、その反対もあるのでLinuxデスクトップすごくいいです。日常でちょっとハマッた時に仕事の知見がつかえるのはかなりお得感があります。 ちょうど2019年も今日で終わりですので、僕の記憶からここ20年くらいのLinuxデスクトップについての思い出や感想
はじめに なんか某所に面接に来た年収1000万円以上希望のインフラエンジニア候補に、Linuxのどのディストロ使ってるか聞いたら「ディストロってなんですか?」と聞き返して来たという話をきいたのでオラびっくらこいてQiitaに記事書き始めちまったぞ。 使ったことはなくてもいいから名前と特徴くらいは知っていて欲しいディストリビューションを列挙する。ディストロの系列ごとに書いたので、列挙順は重要度順ではない。が、2019年現在絶対に知ってないとマズイalpineだけは先頭に置いた。 busybox系 Alpine Linux 公式: https://www.alpinelinux.org/ Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/Alpine_Linux パッケージマネージャー: apk 最小構成だと約5.6MBという圧倒的小ささで、dockerコンテナ
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