試験としての人生:ムスリムの生活とイスラーム 「現世はいわば、試験です。来世で天国に行けるかどうかを試すための」 シェリーフはそう言って笑いました。彼は20代後半の敬虔なムスリムで、現世を試験に例えた言葉を聞くのはそれが初めてでしたが、その言葉にはその後フィールドで幾度となく出会うことになりました。ムスリムは来世をも視野に入れて毎日を生きています。最後の審判と来世を信じることはイスラームの六信に含まれており、それを信じないものはムスリムではないのです。彼/彼女は来世で天国に行くために、善行を積み、悪行を控え、イスラームにのっとった毎日を送りたいと思っている――はずです。敬虔さや世代、環境による個人差はとても大きいけれど。 イスラームは日常生活の行為を以下の5範疇に分けています。しなければいけないこと(ファルド)、した方がいいこと(マンドゥーブ、スンナ)、してもしなくてもいいこと(ムバーフ)