アメリカでは「宝くじに狂わされた人々の悲劇」が様々なドキュメンタリー、TVドラマ、映画で描かれてきた。それは、宝くじ当選者が実名・顔出しで報道される“アメリカの常識”も関係しているのかもしれない。 6月23日より公開中の映画『To Leslie トゥ・レスリー』は、高額宝くじに当たった女性が酒に賞金を使い果たして人生のどん底に落ち、そこから這い上がる感動の物語だ。本作でも女性は当選したことを報道されており、なんと、脚本を担当したライアン・ビナコの母親の実話が元になっているのだという。 インディペンデント映画である本作は、2022年にアメリカ本国で公開されたときには単館公開で興行成績も約350万円ほどしかなかった。しかし、主演のアンドレア・ライズボローの名演がグウィネス・パルトロウやシャーリーズ・セロン、ケイト・ブランシェットなどに絶賛され、2023年度のアカデミー賞主演女優賞にノミネートを