普通に生きてきたつもりなのに、入社した時代のイメージが拭えず、上からも下からもバカにされる。挙げ句の果てに、人減らしが始まればいの一番に削減対象にされる――。もう目も当てられない。 辞めたくないのに! 「知っての通り、ウチの会社の経営環境はとても厳しい。希望退職に応じれば、再就職支援のサービスも利用できます。あなたのお考えを聞かせて欲しい」 東芝の子会社に勤める50代のAさんは、5月下旬、西日の差し込む会議室に呼び出され、上司から開口一番こう言われた。 それは、紛れもない「早期退職勧奨」だった。 「私はローンも返し終えていないし、会社を辞めるつもりはさらさらなかったので、断りました。でも、以降は何度同じ意思表示をしても、たびたび面談に呼び出されるようになった。 4回目には、『あなたの能力と仕事内容を考えると、もういまの場所で働いてもらうことはできません』とまで言われました。 むろん強要する