最近の報道によると、生活保護受給者は206万人を超えました。戦後の混乱期で過去最多だった1951、1952年度の204万人を初めて上回り、生活保護に関する給付額も今年はおそらく3兆4千億円ぐらいになると予想されています。国の税収の1割弱にも相当する額です。また、最近は不正受給の問題も大きくクローズアップされています。本当に生活保護が必要な方ですら、不正受給だモラルハザードだ、と言われてしまうおそれがあります。 モラルハザードや不正受給は「国民の道徳の問題」という意見もあります。しかし私は、むしろそうさせてしまう国の制度が悪いのだと思っています。 そもそも生活保護制度は戦後の生活困窮者を救うために作られた制度で、生活保護法の中身は制定された1950年以来ほとんど変わっていません。現代にマッチしているはずがないのです。例えば現在生活保護をもらっている方の約45%は65歳以上ですが、当時そんなこ