公文書問題 日本の「闇」の核心 (集英社新書) 作者: 瀬畑源出版社/メーカー: 集英社発売日: 2018/02/16メディア: 新書この商品を含むブログ (5件) を見る 瀬畑源『公文書問題 日本の「闇」の核心』集英社新書、2018年、69–79ページ。 会計検査院の果たすべき役割を、特定秘密の問題と関連づけて論じた論考を読む。会計検査院は内閣から独立の組織であり、日本国憲法によって国の決算を「すべて」「毎年」検査するものとされている(第90条第1項)。この規定は戦前の反省を踏まえたものだ。1889年に制定された会計検査院法では、会計検査院が検査できない領域が定められた。たとえば軍の機密費である。その後、軍関係の予算の検査はさらに困難になっていった。出兵に必要な物品の調達にかかる費用については、検査が必要ないとされたり、軍事機密の閲覧をたとえ許されたとしても、そこで得た情報を報告書で使う