職人の世界には“一人親方”として、現場を渡り歩く習性があるため、一般サラリーマンのような雇用体系は馴染まない。その一方で、腕の良い職人を求めている先も多いため、職人を組織化して紹介斡旋するビジネスは、職種単位で成り立つ余地がある。 職人の採用は、通常の求人誌で行うよりも、そうした職人組織を介したほうが効率的だ、寿司職人を例にすると、通称「部屋」と呼ばれる組織があり、職人はそこに所属することで、求人先の店を紹介してもらうシステムがある。 「部屋」組織の本質は、人材紹介業者であり、いまのような人材ビジネスが流行る60年以上前から、料理人の紹介斡旋は行われてきた。料理人に対する需要(求人)は、店の繁忙期に求められる数日の臨時日雇いから、“ツナギ”と呼ばれる1ヶ月~数ヶ月の短期雇用、月給制による長期の雇用と、多様なニーズがあるためだ。また、料理人の技能を判定することや、さらに技能を高める研修を行う