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ブックマーク / maga9.jp (3)

  • 第509回:相模原裁判・初公判を傍聴して。の巻(雨宮処凛)

    傍聴席のすぐそこ、ほんの2メートルほどの場所にあの男はいた。 2016年7月、相模原の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人を殺害した植松聖被告、29歳。障害者は不幸をつくることしかできないとし、犯行予告の手紙を衆院議長に送りつけ、そして当に事件を起こした男。 植松被告の入廷に私は間に合わなかったので、その顔や表情を見ることはできなかった。しかし、見た人は一様に「ものすごく緊張している様子だった」と印象を語った。証言台に立つ植松被告は、長い黒髪を後ろで結び、黒いスーツ姿だった。逮捕後も自身の起こした事件を正当化するような言い分ばかり並べ、重度障害者を「心失者」と勝手に名付け、日の財政を救うために事件を起こしたのだとうそぶいていた植松被告は、法廷で裁判長に「ここまで理解できましたか」「事実と間違いありませんか」などと聞かれるたび、蚊の鳴くような弱々しい声で「はい」と答えた。黙秘権に

    第509回:相模原裁判・初公判を傍聴して。の巻(雨宮処凛)
  • 第447回:90年代サブカルと「#MeToo」の間の深い溝。の巻(雨宮処凛) | マガジン9

    私には「90年代サブカルスイッチ」というものがあって、そのスイッチを押すと、すべてに鈍感になり、普段「人権」とか言っている自分がどこかにすっ飛んでしまうような感覚がある。そのスイッチはやはり90年代に私に搭載されたもので、普段はそんなものがあるなんて忘れているものの、ふとしたキーワードで自分でも知らないうちに起動する。 最近、気づいた。セクハラしたり性犯罪に手を染める男性の中には、私にとっての「サブカルスイッチ」が入った状態の人もいるんじゃないかって。 例えば数年前、こんなことがあった。 当時、『テレクラキャノンボール』という映画がヒットしていて、私の周りの同世代のサブカル好きはみんながみんな見に行き、絶賛していた。どんな映画なのか。アマゾンの商品紹介には、以下のように説明がある。 「東京から札幌までを車やバイクで移動しながら各種出会い系を駆使して現地素人をハメ倒すAVを超えた痛快セックス

    第447回:90年代サブカルと「#MeToo」の間の深い溝。の巻(雨宮処凛) | マガジン9
  • 第431回:革命バカ1代、塩見孝也、死す。の巻(雨宮処凛) | マガジン9

    塩見さんが死んだ。 塩見孝也。1960〜70年代、革命を目指し、武装蜂起を主張した赤軍派の元議長。70年、ハイジャックの共謀や爆発物取締法、破壊活動防止法違反などで逮捕。獄中20年。89年、出所。晩年はシルバー人材センターの紹介で東京・清瀬のショッピングセンターで駐車場管理人をしていた。享年76歳。11月14日、心不全のために亡くなった。 塩見さんとの付き合いは、もう20年にもなる。 出会いのきっかけは、私が23歳の頃、ロフトプラスワンに「元赤軍派議長が語る!」的なイベントを見に行ったことだった。なぜわざわざそんなイベントに行ったかというと、当時の私は生きづらさをこじらせていて、近い過去に政治とかに怒って火炎瓶とか投げまくってた「政治の季節」に多大な関心があったからである。 翻って、自分の周りを見ると、半径5メートルの世界で消費活動だけしてろ、という空気の中、政治や社会に関心を持とうものな

    第431回:革命バカ1代、塩見孝也、死す。の巻(雨宮処凛) | マガジン9
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