これまで連綿と築き上げてきたビジネス構造や慣行が変容の圧力にさらされている出版の世界。とりわけ、出版社と書店の間に入り、書籍の流通を担う「出版取次」の在り方には大きな関心が寄せられている。そうした中、2大出版取次の一角を成す日本出版販売株式会社(以下、日販)は、“データ分析のチカラ”で書店や出版社のビジネス最適化に取り組み、この激変の荒波を乗り切ろうとしている。 「出版業界が縮小している中、日販は『グループ経営』をうたい、事業の多角化を進めています。そこで貴重なデータ資源を日販社内に限らず、グループ全体で活用したいというニーズが生まれていました」──日販テクシード株式会社の森山光氏(取締役 グループ事業開発本部長)はこう話す。 日販は15年ほど前から、営業戦略を支えるIT基盤として、全国の書店への配本状況、売り上げ、返品状況などを分析するデータベースを社内で運用してきた。営業担当者が分析結