私たちの「日常」を捉えるまなざし 近代西洋に端を発し、日本ではとりわけ柳田国男らの主導により独自の体系化を遂げた「民俗学」。しかしそれは必ずしも伝統文化や古俗・伝承のみならず、現代に生きる私たちの「日常」そのものを広く捉え考える現在進行形の実践として、いまなお展開の途上にある。本特集ではそうした現代民俗学の最前線を、アメリカなど国外の動向にも目を向けつつ多彩なトピックを通じて一望する。 [目次] 特集*民俗学の現在 【討議】 回遊する知としての民俗学 / 菊地暁+島村恭則 【広がるフィールド】 実践としての「介護民俗学」 / 六車由実 繰り返すことの民俗学――日常・クィア・強迫症 / 辻本侑生 自己・世相・日常――現在を史学する視点 / 及川祥平 民俗学から日本の出産史を問い直す――「安産中心史観」を超えて / 伏見裕子 〈日常〉はゆらぐ――霊的次元の近代 / 大道晴香 【俗なるもののため