東京工業大学准教授 西田 亮介 氏 日本は投票に行かないことが“当たり前” 編集部から筆者に提示されたテーマは「若者たちはなぜ自民党に投票するのか」というものであった。衆院選の総括報道や、過去10年においても、同種の調査や企画を見かけた。代表的なものがNHKのものだろう(NHK「なぜ若者は自民党に投票するのか?」NHK政治マガジン/21年11月24日配信)。基本的な調査は重要だとして、こうした問いが「疑問」として残り続けている様がうかがえる。 しかし、ここで問い返してみたいのは、はたしてそれほど不思議なことだろうかということであり、選挙があくまで相対的なゲームであることを考えると野党は自民党を上回る明確な投票理由を提示できているかということである。夢や魅力なのかもしれないし、利益や信頼なのかもしれない。今のところ、筆者はそれらを認識できずにいる。政権や自民党には多くの問題があるはずだが、有